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ガラス彫刻(エッチング)
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19世紀末のヨーロッパでアール・ヌーヴォーの代表として活躍した
ガレは、それまで工芸としてのガラスを芸術の領域まで高めました。
ガレの思想は、彼の死後も次世代であるアール・デコ期の作家ルネ・ラリッ
クに継承され現代に至っています。
繊細にして華麗、幻想的な美しさを持つガラス彫刻は、古くからヨーロッパ
の人々に伝統芸術として愛されてきたすばらしいアートなのです。
当時、このガレやまたドーム兄弟が制作に用いていた技法がガラスエッチングと呼ばれる
技法です。
この技法は本来、薬品(強酸)でガラス表面を溶かすことによりデザインを施すという
技法でマスキングによって溶かす部分と溶かさない部分を作りデザインを表現します。
当時の薬品(強酸)を用いる技法は、制作段階で使用する薬品が有害で危険を伴うので
現在では使われていないようです。
一方、マスキングをするという点では同じですが酸などは使用せずにデザインを削り出し
てゆく技法があります。
それがサンドブラストという技法です。
サンドブラスト
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もともとは工業用の錆落としとして1870年アメリカで開発されたました。
当時は、《ショットブラスト》と呼ばれていました。
それが20世紀に入って美術工芸用として改良されたのがサンドブラストです。
サンドブラストとは、硬くて細かい砂(金剛砂など)を高圧で吹き付けガラスなど素材の
表面を削り取ることでデザインを表現する技法なのです。
デザイン以外の部分に覆い(マスキング)を掛けておけば 覆われていない露出部分だけ
砂が吹きつけられて素材が削られデザインを描くことができる…というわけです。
砂を吹きつける時間の長さ、圧力の強弱などを調整し 彫る深さに差をつけることで段差
をつけ立体的に見えるように彫ることも可能です。
文字通り、サンド(砂)とブラスト(突風)を使う技法です。
日本には明治末頃に入ってきました。
~ サンドブラスト・基本工程 ~
① デザインをカッティングシートなどにきれいに描く
② シートを素材に貼り付けカッターナイフなどできれいに切り抜く
③ ていねいにブラストする
④ できあがり!
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